モロッコに住む日本人の現地コラム vol.9

皆さまこんにちは!
本日もモロッコ現地からフレッシュなコラムが届きましたよ!
今回はどんな情報なのかドキドキ(o´艸`) さてさて、始まります!
 
 
 
 

好きな場所で、好きな事をする人生

 
 
皆さん、こんにちは! お元気ですか?
 

 
私は、今後の自分の人生を「母親」、「家庭」という枠にとらわれず、
1人の女性として、もっと 【自由】 に

これからは、好きな場所で好きな事をする人生を満喫したくて
今までの結婚生活(平和的に)にピリオドをうち、ここモロッコで暮らす事を決めました。

でも、モロッコでの1人暮らし、実はけっこう大変です(笑)

私達日本人が「当たり前」と思ってる事が、こちらモロッコでは「当たり前ではない」事が多々あるからです。
文化や考え方の違いから、日々モロッコ人相手に、私は奮闘しています(笑)

例えば、約束の時間について。
「5分前行動」「約束の時間に遅れるなら必ず相手に連絡する」なんて気づかい、モロッコ人には決してない習慣なのです(笑)(*’▽’)
約束を、連絡なしにスッポカされたこともあります。電車も、まず時間通りに目的地に到着しないのがモロッコで、「時計」そのもの自体がいらない国なんじゃないの?と思う時もあります(笑)

そんなモロッコでの日々の葛藤、実は私、楽しんでるかも知れません。多分日本で生活してるよりも「生きてる」って感じがするのでしょう。。。だから、モロッコ1人暮らしを今でも続けられてるのです。(^^) 懲りてたらとっくに日本に帰ってますってw
 
 

「アパート、女性1人暮らし」の私は、イスラム文化では珍しい存在

 
 
モロッコはイスラム文化の国
宗教(文化)の違いから、日本人とは、全く考え方が異なる事がいっぱいあります。

イスラム教社会のモロッコで「アパート、1人暮らし」をしてる私は、彼らにとってけっこう珍しい存在なのです。
そんなに自分は珍しいものなのかと、逆に私の方がビックリです!w

ではなぜ、モロッコでは未婚の女性1人暮らしが少ないのでしょうか??
それは、女性は結婚するまでは親と暮らすべきである。親元で暮らすのが娘にとって安全で安心だ。という考え方が、彼らには根強くあるからです。
(※離婚した女性は就職先もないため一般的に両親のもとに戻り、男兄弟が経済的援助をします)

⇒宗教・文化が違うと「女性の幸せ」に対する周りの考え方は、違ったものになるのですね。

今回のコラムでは、モロッコの砂漠地方にある「リッサニ」という小さな街を訪れた時に、私が現地の人から聞いてビックリした話を皆さんにご紹介しますね。
 
 

「リッサニ」の街ってどこにあるの?

 
 

 
モロッコの地図をご覧ください。
リッサニは、モロッコ東部アルジェリア国境沿い方面の、サハラ砂漠の手前にある人口約2万人の小さな村です。
私が住んでるシャウエンの街は、モロッコ北部にあります。

ここからリッサニへ行くには、先ず南のフェズという街にバスで4時間移動します。
そして、フェズから夜7時半の夜行バスに乗り、9時間後の翌朝4時半に目的地にたどり着きます。
リッサニは、シャウエンから行くと、バスを1回乗り換えて合計14時間もかかる距離なのです。
モロッコは広いですね! 電車で行ければいいのですが、モロッコ国土の半分は乾燥した砂漠地域で電車が通っておらず、バスや車が主な移動手段となります。
<Rissaniリッサニ>
モロッコ東部、アルジェリア国境沿い方面の、サハラ砂漠の手前にある人口約2万人の小さな村。
 

 

↑撮影した日は5月ですが、
 澄み切った青空がとても綺麗でした。
ところどころに、ナツメヤシの木がありました。
 
道にはロバに乗ってるおじいさんもいて、シャウエンとは全く違う景色に感動!

 

 

↑市場の周辺にある村にて撮影。
 
学校帰りの子供たちです。
5月とは言え日差しが強く、
 
サングラスをしないと、目がまぶしいほどでした。

 
 
リッサニは市場が有名です。週2回開かれる市場へ、リッサニの周りにある小さな村々に住んでる人たちは、ロバに乗って食料品や生活必需品を買い付けに来ます。
その人達のために、リッサニには「ロバ専用のパーキング」があるんですよ♪
辺りは、ロバ、ロバ、ロバだらけ。可愛いですよね! 私のテンション・マックス(笑)

リッサニ名物 「ロバ専用パーキング
↑1本のヒモでつながれたロバさん達は、
 
おとなしくご主人様の市場からのお帰りを待ってます。
私はこの光景を最初に見た時、まるで日本で言う、
 
「親子ふれあい動物園広場」かと思いました(笑)

 


 
市場での様子です。
八百屋、肉屋、日用品雑貨商店など、売る品物によってお店が分かれています。
リッサニには大きなスーパーマーケットがないので、
 
市場は現地の人にとって生活する上での、欠かせない場所なんですね。
社交場でもあります。
 


 

↑ロバに乗ったまま、買い物に来た民族衣装ジュラバを着たモロッコおじさん。
お知り合いと何を話してるのでしょうか?♪

 

 
↑砂漠地域(モロッコでいう田舎の地域)に行くほど、現地の女性は黒い布で全身を覆っていました。
都会のカラブランカの女性とは全く違った雰囲気です。
 
 
 
 
私が「リッサニ」へ行く事になった不思議な理由

 
 
リッサニに訪れたのは、実はヒョンなことからで(笑)

2018年5月から自分のアパートを購入して、シャウエン新市街に住んでるのですが
それまではシャウエン旧市街に、フランス人オーナーからアパートを借りて住んでたんです。
 

 

↑2018年4月いっぱいまで、半年ほど住んだフランス人オーナーの家具付きアパート(シャウエン旧市街)
 
 
そのフランス人オーナーは、普段はフランスに住んでいて、年に何回かバケーションでモロッコにくるわけです。

オーナーから前もって告知はあったのですが・・・
「2018年3月の下旬からモロッコ・シャウエンに遊びにいくから、その時君が住んでる部屋を自分の友達に3週間貸したいので、その間出てくれないか」と。(*’▽’)

(こちらは家賃を払ってるのに、出て行ってくれと、全く不思議な考え方ですよね(笑)。もちろん、私の留守中3週間は、家賃を払わなくて良かったのですが)

前回2017年8月、オーナーに「自分の友達に貸すから、3週間出てくれ」と同じことを言われたときは、日本に帰りました。
でも、今回は日本に帰らず、その間良い機会なのでモロッコを旅しようと思ったのです。(3週間のホテル代がかかるので、なんとか節約方法も考えました♡)

どこに行こうか迷って、結局まだ訪れてない、ガイドブックには載ってない小さなモロッコの街「リッサニ」と、サハラ砂漠 を旅する事に決定。
と言うのも、私のフェイスブックの男友達が、ちょうどホテルの仕事を辞めたそうで、私をお世話(リッサニ観光ガイド)をしてくれる時間があると聞いたからです。なので、良いタイミングだなと思い(*’▽’)、その友達の家へ4日ほどホームステイをさせてもらいました。
 

 

↑リッサニの建物はベージュ、又はオレンジ系の色でした。
写真の影の濃さから、日差しの強さが分かると思います。まだ5月ですよ!(笑)
 

 

↑ホームステイ先、友達の家のリビングルームです。
ソファ、絨毯、壁のタイルがモロッカンしてますね♪


 

夕食はいつもタジン鍋料理。チキンタジン、ビーフタジン等。
1つのテーブルに大きなタジン鍋料理を出します。1つのお皿をみんなで分け合って食べるのがモロッコスタイルです。

 

 

↑「家族の顔写真は出さないでね」と、モロッコ人友達に言われたので顔部分はカットしてます。ご了承下さい。
イスラム教女性は写真を撮られることを嫌がるんです。これも文化の違いですね。
 
 
 
 
女性の幸せに対する「イスラム社会」の考え方

 
 
ホームステイ先の友達の家では、アジア人(日本人)が家に来るというのは大変珍しい事で。
一緒にご飯を食べてる時、日本の事や私について、色々、色々聞かれました(笑)

家族の人は英語が話せなかったので、英語を話せる私の友達に会話は全て通訳してもらいました。(モロッコで英語が通じるのは大きな都市、又は観光地だけです。たいていは「フランス語」又はアラビア語モロッコ方言=「ダリジャ」を皆さん話します)

彼らと話しをする事で、イスラム教の人にとっての「女性の幸せ」に関して、彼らには彼らなりの考え方があるんだなと思いました。(その考え方の違いにはとてもビックリしましたが。。。) 逆を言えば、海外では日本で育った私の考え方は、彼らにとって「当たり前」ではないのですね。

彼らとの会話でビックリした事3つご紹介します。
 
<ビックリした事①>
リッサニの女子高校生について。
学生の半数は、現在でも途中で学校をやめて家の家事手伝いをする。(今では約半数ですが、昔はほとんどの女子学生が卒業まで待たずに学校をやめていたそうです)。
 
<理由>:学業を終えて18歳で高校を卒業するよりも、18歳になった時にすぐに良い人と結婚できるように、その準備として早めに学校をやめて、裁縫、料理、家事等を家に居ながら母親の側で習わせた方が実用的で良いから。

つまり、

・幸せな結婚=女性の幸せ。 

・料理、家事ができる女性=良い結婚相手が見つかる

・1人暮らしはさせない=親が守ってあげるのが娘の幸せ
 
<ビックリした事②>
結婚する女性が若いなら、相手の男性も若い!
リッサニの結婚適齢期。女性18歳。男性22歳。

イスラム社会では婚前交渉は許されない事なのです。なので、早く結婚(お付き合いする相手=結婚相手)して、子供がいっぱいの幸せな家庭を作りたい、と思うのが彼ら若者の考え方です。
現に、モロッコの子供比率は多いいです。
 
<ビックリした事③>
「変な虫が付かないように、娘には絶対に1人暮らしはさせない」というのが古い昔からのモロッコ・イスラム文化、特に田舎地方での考え方。
娘の1人暮らしを許可するなんて両親にとってはもってのほかで、隣町に娘を1人暮らしさせるなんて更にとんでもないことで、ましてや、娘を外国に一人暮らしさせるなんて、本当に本当にビックリするほどとんでもない事なのだそうです!

つまり、私はイスラム教徒ではない、外国人女性だけど
モロッコ人女性ではないけど

「1人暮らしをしてる」という点で、彼らにとって私は
とんでもなく、珍しく、ビックリする存在なのだそうです(笑)

「良くご両親は賛成したね」とか
「どうして1人で住んでるの?」 とか
色々聞かれました。

私はモロッコが好きです。もちろん日本の方が私にとって便利です。
でも、私は好きな国で、好きな事をして生きていたいからモロッコに住んでます。

私は【自由】が好きなんです。

両親も大切ですが、私は、自分の人生を生きたいんです。
もちろん、私は日本で育ったために、モロッコで習慣がわからない事も多く、そのため1人暮らしは大変です。でも、私は自分の気持に従って生きられる今、この状態を幸せと思っています。

「へー」と友達のお母さんは、そんな考え方ってこの世の中にあるの?的な感じで、私の言葉にビックリして聞き入ってました。

どちらの考え方が正しいとかではないけど、日本を離れて違う文化で育った人たちと話をしてると、色んな考え方が世の中にはあるんだなと思いました。
人々の考え方に、育った環境(宗教)や親からの教えはとても大きく影響するのですね。

ちなみに、イスラム教の女性はイスラム教の男性としか結婚できません。
生まれた時から、思春期、結婚後、ずっとコーランの教えに沿って生きる事、家族とのつながりを大切にすること、両親に守られてる事が、彼女たちの喜び=幸せなのです。
 

 
 
【注】今回皆さんにご紹介した、リッサニでの女子高校性の約半数は卒業まで待たずに、学校をやめて家事手伝いをするという話は、砂漠地域の保守的な田舎町にまだ残ってるイスラム文化特有のの古い考え方です。モロッコ全般の話ではございません。もちろん現在の都市部の女性達は高校を卒業します。大学へも進学し、中には公認会計士、医者になってる女性もいます。
一方で、遊牧民(ノマド)の子供たちは小学校すら行ってません。モロッコ教育事情は深いのです
 
 
 

人それぞれに「幸せのかたち」がある

 
 
そもそも「何で、モロッコに住んでるの??」って良く聞かれるけど
それは、「私ここに住みたい」と思ったから。

理由はないけど、直感で「ここなら住める」と思ったから♡
だって、好きに理由はないんだもん♪ (*^-^*)

私はモロッコで現在1人暮らし中。
人それぞれに「幸せのかたち」がある。
 

 
夕方リッサニの街を散歩してたら、ヤギの群れに遭遇。
夕日で影が長く伸びてるのがわかりますか? ヤギさん達と、その夕日の影を見てたら、なんだかほのぼのとして穏やかな気分になりました。私は、こんなモロッコの田舎町が大好きです♡

これからもガイドブックに載ってないようなモロッコ文化、小さな街での出来事など日本の皆さんにご紹介できればと思っております。

次回までお楽しみに(^^)/
 
 
 
 
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